刺咬被害やアレルギーの原因になる厄介なダニ。
布団やカーペットなどのダニ駆除に気を使っておられる方は多いと思いますが、ぬいぐるみはどうなのでしょうか?

きっと…

ぬいぐるみは小さなお子さんが肌身離さず持っていたり、ベッドの枕元やソファなど肌に触れやすい場所に置いてあることが多いので、そこにダニがうじゃうじゃいるなんて考えたくもないですよね。
それで今回は、以下の3点についてまとめてみたいと思います。
- ぬいぐるみのダニ駆除は必須なのか?
- どのような方法で駆除したらよいのか?
- ぬいぐるみにダニが繁殖しにくくするため、どんなお手入れしたらよいのか?
お気に入りのぬいぐるみを安心して触れる清潔な状態にするため、早速一緒に見ていきましょう!
ぬいぐるみのダニ駆除って必須??
そもそも、ぬいぐるみにダニは繁殖するのでしょうか?


ある調査結果によると、家の中でダニが繁殖しやすいものベスト5がこちら。
- じゅうたん (表面500+内部110000 計110500)
- 綿敷き布団 (表面100+内部約100000 計100100)
- たたみ (表面700+内部約50000 計50700)
- ぬいぐるみ (表面500+内部不明 計500)
- ソファ (表面162+内部不明 計162)
※匹/1㎡
ぬいぐるみもしっかり4位にランクインしてしまっているんです!


というわけで、結論は明白ですよね。
ぬいぐるみのダニ駆除は、必須です!
ぬいぐるみからダニを駆除する方法
では次に、多くの人がよくやっているぬいぐるみのお手入れにダニ駆除効果があるかどうかを確認してみましょう。
ぬいぐるみのお手入れとして一般的な方法は、以下の4つかもしれません。
一般的なぬいぐるみのお手入れ
- 天日干し、または陰干しする。
- 細いノズルをつけた掃除機で表面のゴミなどを吸い取る。
- 手洗いする。または、汚れた部分だけ洗剤をつけて洗う。
- コロコロ(粘着テープ)で表面のホコリを取る。
これらの方法、果たしてダニ駆除効果はあるのでしょうか?


ダニ駆除という観点からみると、結論はこうなります。
- 天日干し、または陰干しする。
→ぬいぐるみに溜まった湿気がとれるので、ダニが住みにくい環境にはなるが、駆除はできない。 - 細いノズルをつけた掃除機で表面のゴミなどを吸い取る。
→ダニの死骸や、ダニのエサになる汚れはとれるが、生きたダニは繊維にしがみ付くため吸い取れない。 - 手洗いする。または、汚れた部分だけ洗剤をつけて洗う。
→洗った部分のダニの死骸や汚れはとれるが、水洗いや洗剤ではダニは死なない。 - コロコロ(粘着テープ)で表面のホコリを取る。
→表面に付いているダニの死骸や汚れはとれるが、生きたダニは取れない。ぬいぐるみの繊維を傷める原因にもなる。


ダニを駆除するには一体どうしたらいいんでしょう?
それを知るために、ダニの駆除に必要な条件、つまりダニの弱点を知っておきましょう!
高温多湿好きのダニが生きていけない環境とは…
- 湿度55%以下の乾燥した状態がダニの寿命(100日前後)より長く続く
※湿度が下がるとダニは活発に活動できなくなるが、死ぬわけではなく、また湿度が上がると復活する。 - 60℃以上の熱(50℃以上の熱に30分以上さらされても死ぬ)
この2つの条件どちらかに当てはまれば、ダニを死滅させることができるんです!


日本の冬場の平均湿度は53%。昔ながらの木造住宅ではダニは生きられないと言われています。
ですが、最近の家は機密性の高い造りなので、湿度や暖房の熱が逃げにくく、ダニも冬を越せてしまうそうです。


さて、少し横道に逸れてしまいましたが、ここからいよいよダニの弱点を突く駆除方法をご紹介していきます!
60度以上の熱湯に浸す
洗える素材・大きさのぬいぐるみであれば、60℃のお湯に30~40分くらい浸してから、洗濯(または手洗い)をしましょう!
ダニ駆除のポイントは…
- ぬいぐるみの中までしっかり熱が入るように、30~40分間ずっと60℃を下回らないように温度を調整する。
- ぬいぐるみが浮かんで一部がお湯から出てしまうと、ダニがそこに逃げてしまうので、重しを置いて全体が浸かるようにする。

熱めのお湯でしっかりダニ退治をしたら、少し冷まして、今度は中性洗剤か固形石鹸でやさしく洗います。

※手洗いするか、洗濯機で洗うかは、ぬいぐるみを買った時に大抵付いている「お手入れ方法」を記載したしおりを確認し、判断してください。
基本的な手洗い方法は、この動画を参考にしてみてください。

でも、ぬいぐるみの中にはデリケートな物も多いので、当然この方法が使えないぬいぐるみもあります。

以下のような特徴のあるぬいぐるみは洗うことができません。
- 色落ちするもの
※ぬいぐるみの目立たない所を濡れタオルで軽くポンポンと叩いてみましょう。タオルに色が付いたら洗えません。 - アンティーク調のもの
- 顔のパーツなどにボタンが付いているもの
- 機械が内蔵されているもの
- パーツの接続に接着剤が使われているもの
- ぬいぐるみの中に、ポリエステルわた、ビーズ、パイプ以外の素材が入っているもの
- 一部に皮が使われているもの
これらに該当していなくても、全体をお湯に浸ける前に、一旦目立たない場所をしばらくお湯に浸けてみて、生地に変化がないか確認しましょう!

布団乾燥機
本来、布団を温め乾燥させるための布団乾燥機ですが、実はぬいぐるみのダニ駆除にとてもとても便利なんです!

とは言っても、布団乾燥機には大きく分けて次の3種類あります。
どのタイプがダニ駆除に最も適しているのでしょうか?
- マットが付いているタイプ
- ホースが付いているタイプ
- マットもホースもないタイプ

何となく、ぬいぐるみを覆うことができるマット式っていう気がするな~

マット式の布団乾燥機であれば、枕を乾燥させる時と同じ要領で、ぬいぐるみのダニ駆除を行うことができるんです。
マット式布団乾燥機でぬいぐるみのダニ駆除をする手順
- 掃除機で、ある程度ぬいぐるみ表面についたホコリをとっておく。
※もし汚れが付いているようなら、中性洗剤をつけたスポンジや歯ブラシなどで汚れを落とし、濡れタオルで洗剤をふき取っておきましょう。
↓ - 敷き布団の上にぬいぐるみを置き、布団乾燥機のマットをその上に広げて覆う。さらにその上から掛け布団をかける。(乾燥機の種類によっては掛け布団はかけなくてよい物もあるようです。説明書の「枕のダニ退治方法」の手順に従ってください。)
↓ - マットに布団乾燥機をセットし、スイッチを入れる。
※所要時間は布団乾燥機の性能によって左右されますが、スタートから30分前後にはダニの生息できない温度・湿度に達するものがほとんどのようです。しかし、分厚いぬいぐるみは中綿まで熱が入るのに時間がかかるので、少し長めに乾燥させましょう。
↓ - 大きくて分厚いぬいぐるみの場合は、ある程度時間が経ったら上下を裏返しする。
↓ - 乾燥が終わったら、ぬいぐるみの表面を丁寧に掃除機がけする。
※ダニの死骸がたくさん残っているので、掃除機がけはゆっくり丁寧に!


では、ホース式や、ホースもマットも付いていないタイプの布団乾燥機はダニ駆除には使えないのでしょうか?

結論から言うと、工夫すればダニ駆除ができる可能性はあるものの、あまりおススメはできません。

ぬいぐるみのダニ駆除をするには、どうしてもぬいぐるみ全体をムラなく50℃以上の高温にする必要があります。
仮に、ぬいぐるみを布団の中に入れて、布団乾燥機のホースやノズルを差し込んで温めても、ぬいぐるみの一部分しか十分な温度に達しないでしょう。
また、布団乾燥機の付属品としてよく付いている衣類乾燥袋の中にぬいぐるみを吊るして、下から布団乾燥機の風を送り込んだとしても、ぬいぐるみ内部のダニが死滅する温度には達しないと思われます。



というわけで、結論を再確認すると、こうなります。
- マット式の布団乾燥機を使えば、枕と同じ要領で、簡単にぬいぐるみのダニ駆除ができる!
- ホース式の布団乾燥機の場合、ぬいぐるみを入れた衣類乾燥袋を布団で包めばダニ駆除ができる可能性がある。が…、
おそらくメーカーが想定していない使い方なのでリスクが伴う。 - マットもホースも付いていない布団乾燥機では、ぬいぐるみのダニ駆除はできない。
ちなみに、衣類乾燥袋は様々な種類のものが市販されています。
救急! 衣類乾燥袋(布団乾燥機ホースなしタイプにも対応)
https://twitter.com/pclodge_jinboch/status/1236876032889643012?s=20
布団乾燥機でお布団のダニ退治をするコツを知りたい方はコチラ↓の記事をご覧ください。
「ダニは布団乾燥機で退治することが可能? 退治するための正しい使い方公開!」
布団乾燥機の性能比較をした記事がありましたので、もしこれから購入を検討しておられる方はぜひ参考にしてみてください!
「通年で活躍! 布団乾燥機おすすめランキング11選 失敗しない選び方〔2020年最新版〕」
さて、ここまでで、お湯洗いと布団乾燥機でのダニ駆除方法をご紹介してきました。
実はこれ以外に、スチームアイロンやコインランドリーの高温乾燥機などでもダニを駆除することができるのですが、この記事では具体的な方法はご紹介しておりません。
なぜかというと、ぬいぐるみには不向きな駆除方法だからです。

布団やカーペットのダニ退治方法を知りたい方はコチラ↓の記事をご覧ください。
「ダニ退治の最終兵器はアイロンだった!! その意外な使い道を詳しく解説☆」
「ダニをカーペットから駆除したい! アイロン+掃除機が最強の武器だった!?」

ぬいぐるみに不向きな理由は、熱すぎることです。
アイロンのスチームは100℃、高温乾燥機は70~80℃以上の高温になります。
一方、ぬいぐるみには高熱に弱いデリケートな素材が使われていることが多いんです。
(例:リボン、プラスチック素材の飾り、耐熱加工していないボタンなど)
また、ぬいぐるみのパーツをくっつけるため接着剤が使われていることも多く、高熱で接着剤が溶けることもあります。


ぬいぐるみをダニから守ろう!
最後に、ぬいぐるみをダニから守る方法をお伝えしたいと思います。
今回特集した方法でダニの駆除をしたとしても、中綿の奥の奥まで完璧にダニ駆除ができると保証することはできません。
また、仮に100%駆除できたとしても、家中どこにでも生息しているダニは、エサの豊富な居心地の良い場所を求めてぬいぐるみに集まり、あっという間にまた大繁殖してしまいます。


ダニの繁殖を抑えるため、また、できるだけぬいぐるみからダニを遠ざけるためどんなことができるのでしょうか?
ポイントは以下の3つです!
ポイント
- できるだけ汚れを付けない
- 湿気をとる
- ダニ忌避剤やダニよけシートを使う
できるだけ汚れを付けない
「汚れ=ダニのエサ」と考えましょう。
特にダニが好むのが、食べかすや人間のフケ・アカ。ですから…
ぬいぐるみに触る前に、できれば手を洗おう。
私たちの手は私たちが考える以上に汚れています。
皮脂や食べ物の油などがくっ付いた手でお気に入りのぬいぐるみを触っていると、わざわざダニをぬいぐるみに呼び寄せようとしているようなものですよね?
ただ、小さなお子さんがおられる場合、ぬいぐるみに触る前に毎回手を洗わせるなんてことは不可能だと思うので、洗いやすいぬいぐるみを買い与える方が無難でしょう。

定期的にブラッシングしてホコリを落とそう。
どんなに気をつけても、やはりホコリや汚れは付いてしまうものです。
100均などで販売されている犬用ブラシで大丈夫ですので、できるだけ頻繁に、繊維を傷めないよう優しくブラッシングしてホコリを落としてあげましょう。

湿気をとる
何度も強調している通り、ダニはジメジメした環境が大好きです。それで…
週に一度は風通しの良い場所に陰干ししよう。
風があたるだけでもかなり湿気を飛ばすことができます。
「どうせ干すなら、天日干しで殺菌を…」と思われるかもしれませんが、ぬいぐるみの繊維が傷んだり、色あせたりする原因になります。

また、ぬいぐるみを収納しておく場合にも湿気対策が大切です。
ぬいぐるみは通気性の良い箱に入れて保管しよう!
籐やワイヤー製のバスケットや帆布素材の袋などは通気性が良い上にオシャレに収納できるのでおススメです☆

押入れやクローゼットに長期間収納する場合、ホコリが付かないようプラスチック製の衣装ケースなどに入れる方が多いかと思います。
衣装ケースは通気性が悪いので、ぬいぐるみと一緒に無臭タイプの防虫剤と、除湿剤を入れるようにしましょう。


ダニ忌避剤やダニよけシートなどを使う
せっかく手間をかけてぬいぐるみのダニ駆除をしたら、もうダニには二度とぬいぐるみに寄り付いてほしくないですよね。
ソファやカーペットなど家中に潜むダニがぬいぐるみに近寄らないようにするためにはどうしたらいいのでしょうか?
ダニ忌避剤をぬいぐるみにスプレーしよう!
ダニの嫌がる匂いを吹きかけることで、ある程度ぬいぐるみを守ることができるんです。
【ダニオフファブリックスプレー】(たかくら新産業) 価格¥1620
シトロネラやゼラニウム、ラベンダーなどの製油をブレンドしたダニを寄せつけなくするスプレー。
ダニは苦手な匂いでも、人間にとっては清涼感溢れるハーブの良い香り♪ オーガニックのハーブ製油なので、安心安全。ぬいぐるみだけでなく、布製品全般に使用可能。
https://twitter.com/honey_love_girl/status/1145900825539072000?s=20


実は、このようなダニの嫌がるスプレー、自宅でも簡単に手作りできちゃうんです!

いつもぬいぐるみを収納する場所にダニよけシートを敷いておこう!
カーペットや畳などからダニがぬいぐるみに這い上がってくるのを防ぐシートが市販されていますので、ぬいぐるみの収納場所の下に敷いておきましょう。
【ダニよけシート】(アース製薬) 価格¥449
天然ハーブの成分でダニを遠ざけるシート。必要なサイズに切って使用します。
効果が6ヶ月も持続するので経済的です。
※プラスチック素材(衣装ケース)、フローリング床、ビニール床には使用できません。
価格449円 アース製薬 ダニバリア ダニよけシート 2枚 天然由来 効果 押し入れ シートタイプ カーペット 6ヵ月 使用環境 長持ち 押し入れ半間サイズ 植物 布団 けが… https://t.co/4Ys45eGOFD pic.twitter.com/w0jcIHC1es
— 極楽趣味天国 (@dinahiuiu) September 6, 2016


まとめ
今回は、ダニをぬいぐるみから駆除する方法をご紹介してきました。

デリケートな素材が多いぬいぐるみにおすすめの駆除方法は、以下の2つ。
ぬいぐるみのダニ駆除方法
- 60℃以上の熱湯に浸す。
- マット式の布団乾燥機でぬいぐるみ全体を60℃以上の高温にする。

いつも一緒に過ごすお気に入りのぬいぐるみだからこそ、きちんとダニ駆除をして、安心して抱きしめられるようにしておきたいですね!