今回は、「ダニ退治のために布団や枕を天日干ししてるけど、そもそも何時間干したらいいの?」という素朴な疑問にお答えしたいと思います。
「答えは…〇時間‼」という明解な数字を期待しておられる方、ごめんなさい!
実は、最適な時間は布団や枕などの素材によって変わってくるものなんです。
しかも、「天日干し=ダニ退治」だと思っておられる多くの方に、衝撃の事実をお伝えしなければなりません。
普通に天日干ししただけでは、ダニは死なないのです。
忙しい合間をぬって布団を干したのに、その布団で寝ると「またダニに咬まれた…」「アレルギー反応がでた…」なんてことになったらガッカリですよね。
それで今回は…
ポイント
- 天日干しで期待できる効果
- 天日干しから最大の効果を引き出すコツ
- 天日干しの最適な時間
この3点をご紹介していきたいと思います。
天日干しでダニは退治できるのか?
天日干ししたお布団や枕は温かく、乾燥してフカフカになるので、気持ちまで爽やかになりますよね!
ジメジメした環境が大好きなダニにとって、そのような布団は住み心地の良い場所とは言えません。
が、残念なことに、布団の繊維の奥で大半のダニは元気に生き残っているです!

天日干しで布団の表面が少々熱くなったり、湿度が低くなったからといって、すぐに死んでしまうほどダニはひ弱ではないのです。
さらに、私達人間は寝ている間に毎晩コップ一杯分(200ml)もの汗をかいています。
ですから、天日干しで十分乾燥させたとしても、その布団で寝れば再び湿気は蓄積され、布団はあっと言う間に、生き残ったダニにとって住みやすい楽園へ戻るわけです。
布団を干すとこんな良いことが…☆
布団を干すメリット
- 布団に溜まった湿気が飛んで、ふっくらフワフワに。
- 汗臭い匂いが取れる。
- 紫外線によって雑菌が殺菌される。
- 湿度が下がるのでカビ防止になる。
- 湿度が下がるのでダニが繁殖しにくい環境になる。

寝具は毎日使うものですし、直接肌に触れるものですから、定期的に湿気をとってできるだけ清潔にしておきましょう‼
天日干しで最大限の効果を引き出すために…
アレルギーの原因にもなるし、数が増えてくると人を咬む厄介なダニ、何とかちゃんと退治したいですよね。
実は、真夏の暑い時期限定ですが、いつもの天日干しに一手間加えることで、ダニをかなりの程度退治できる秘策があるんです!

真夏限定! プラス一工夫でダニ退治
その秘策とは、黒いカバーで布団を覆ってから天日干しすること!
大きな黒い布がご自宅にあれば、それを使うこともできますし、「布団干し袋」という専用の商品も市販されています。
東和産業 花粉ガード 布団干し袋
【東和産業】花粉ガード ふとん干し袋/布団干し袋【RCP】【10P01Mar15】 http://t.co/MudbL0smfr pic.twitter.com/VxC8GBNdfd
— ニュース 太郎 (@nw365) March 8, 2015
1000円ちょっとのお手軽な価格です☆
干した布団の上からかけるだけのシートタイプも販売されていますが、風でめくれたりするとダニ退治効果はほとんどなくなってしまうので、布団全体を覆ってしまう袋状の物の方が効果的でしょう。


ダニの最大の弱点は、熱です!
ダニは50度以上の熱に20〜30分さらされると死ぬと言われていて、温度が60度にも達すれば一瞬で死滅します。

黒いカバーで覆うことにより、布団の表面温度は外気温より約8度高くなると言われています。
つまり40℃近い猛暑日に、黒いカバーをかけて車のボンネットの上など高温になりやすい場所に干すと、ダニが生存しにくい温度にまで布団を温めることができるというわけです。
寝具の素材によっては、素材の劣化を招く場合があります。熱に強い素材かどうか確認した上で行ってください。

ただ、このダニ退治法が使えるのは真夏限定。
外気温がそれほど高くない時期は、いくら黒いカバーをつけてもダニを死滅させるほどの温度にまでは上がりません。
ただ、カバーを付けるメリットは下記のようにたくさんあります。ぜひ日常的に使うようにしましょう!
- 布団を外からくるホコリや花粉から守る。
- 鳥の糞や汚れが付かない。
- 布団の色褪せを防ぐことができる。


他のダニ退治法として、丸洗いできる素材であればコインランドリーの高温乾燥機にかける、洗えなければスチームアイロンや布団乾燥機などの熱で退治するなどの手があります。それぞれの詳しい記事をご覧ください。
「ダニ退治の最終兵器はアイロンだった!! その意外な使い道を詳しく解説☆」
「ダニは布団乾燥機で退治することが可能?退治するための正しい使い方公開!」
手軽にできるダニ退治法を紹介した動画もありますので、興味のある方はご覧ください♪
ダニ退治のあとは掃除機かけを忘れずに!
真夏の太陽光を生かした熱によるダニ退治後、絶対に忘れてはならない大事な工程があるので、少し補足しておきたいと思います☆
黒いカバーを付けて天日干ししたら、必ず布団表面の掃除機かけをゆっくり丁寧に行いましょう!

どのくらいゆっくりかけるかというと… 1㎡辺り20秒程度のペースが理想です。
なぜ掃除機かけが必須なのでしょう?
実は、布団内にダニの糞や死骸が残ったままになっていると、それを寝ている間に吸い込んでしまい、アレルギー症状を発症してしまう可能性があるんです。

布団叩きは必要?
ところで、ちょっと本題からそれますが、「布団たたきはしない方が良い」という話を聞かれたことはないでしょうか?


実はその舞い上がるホコリ、中わたの繊維がつぶれて飛び散っているんです。
つまり、布団を傷めているというわけです‼
特に羽毛布団は、たたくと羽毛が中から飛び出しやすくなってしまいます。絶対にたたかないようにしましょう!

さらにさらに、布団をたたくと、中でダニの死骸や糞がより小さく砕けてしまいます。
それらは小さくなればなるほど、呼吸と共に私たちの体内に取り込まれやすくなってしまうんです。

ですから、ホコリが気になる場合は、布団の表面をなでるような感じでホコリを落としましょう。
天日干しに最適な時間の目安は何時間?
さて、ここからは寝具の最適な干し方について解説していきたいと思います。
一日のうちの何時頃に何時間くらい干したら最も効果的か、意外と知らないものですよね。


一日のうち布団を干すのに最適なのは何時頃?
まず最初に、晴れていても布団干しには向かない日&時間帯があることを覚えておきましょう!それは…
- 前日に雨が降った日
- 気温が上がっていない朝夕

また、布団干しに最適な時間は季節によって変化するということも大事なポイントです。
- 通常は10~15時
- 夏は9〜11時(午後の日差しは強く、素材の劣化を速めるため)
※天日干しでダニ退治をする時だけは、あえて高温になる時間帯に干します。 - 冬は10〜14時(日が影るのが早いため)

素材別の最適な干し方&時間
これまでの話しからお察しだと思いますが、布団や枕の素材によって最適な干し時間は違うんです。
ですから、まずお使いの寝具の素材をちゃんと確認することが大切です。


では、それぞれの素材の特徴を簡単に確認していきましょう! まずは、枕から…。
あなたの枕は天日干しOK? それともNG?
天日干しOKの枕は以下の素材です。
あくまで素材にそった大まかな分類です。
様々な種類の素材が開発されていて、それぞれお手入れの方法が異なりますので、枕本体の洗濯表示タグや取扱説明書の指示に従ってください。
- 蕎麦がら … 乾燥させた蕎麦の実を使った枕。
水洗いNG。虫が付きやすいので、できるだけ頻繁に天日干しが必要。 - 化学繊維わた(ポリエステルなど)… 化学繊維なので比較的ダニは繁殖しにくいが、ホコリが溜まりやすい。
基本的には水洗いNG。洗えない分、しっかり天日干しで殺菌を。
※手洗いで洗える商品もあるので、洗濯表示に従ってください。 - パイプ … ストローを短く切ったようなプラスチック製のパイプが入った枕。
水洗いOK。大抵、洗濯機での丸洗いも可能。半乾きはカビや臭いの原因になるので、風通しの良いところで天日干しを。 - ウール … 羊毛を使っているため、ムレにくいが、ダニが繁殖しやすい。
水洗いOK(商品によっては洗濯機で洗えるものも。)通常の手入れとしては、週に1回、1~2時間天日干し。洗って乾かす場合には陰干しがベスト。
天日干しNGの枕は以下の素材です。
- マルコビーズ … ポリエチレン製のビーズが入った枕。中袋を取り出して洗濯機で洗えるものが多い。
天日干しすると劣化・変形してしまうので、直射日光の当たらない風通しの良い場所で自然乾燥を。 - 低反発ウレタン・スノー低反発…どんな姿勢で寝ても体にフィットするのが特徴の枕。
直射日光でウレタンが劣化するため陰干しが無難。 - 羽毛・フェザー … 水鳥の羽を使った枕。優しく手洗いすることが可能(※乾くまでに2~3日かかる)。
マルコビーズやウレタンほど直射日光に弱くはないものの、劣化が速まるのは事実なので、月に1~2回、2時間程度、陰干しか、カバーで覆った上で天日干しする。


では、次に布団の素材を見ていきましょう!
あなたの布団の最適な干し方・干す頻度・時間は?
布団も枕同様に、素材によって特徴が違うので、最適な干し方や頻度、時間が変わってきます。
一覧にまとめてみましたので、今お使いになっているお布団の素材をチェックしてみてください。
素材別 布団の干し方
- 木綿布団 … 熱に強いので、天日干し可
湿気を含みやすく、ダニも繁殖しやすい素材なので、週2回、3時間程度干した方が良い。 - 合成繊維の布団 … 比較的熱に強いので、天日干し可
天然素材よりもダニは繁殖しにくいが、週1回、2時間程度(夏は1〜1.5時間)干すのがベスト。 - 羊毛布団 … 直射日光に弱い素材 普段は室内で陰干しをして、月に2回ほどの片面1時間ずつ天日干しすると良い。
- 羽毛布団 … 直射日光に弱い素材 普段は室内で陰干しをして、月1〜2回ほど片面30分〜1時間ずつ天日干しで殺菌。


まとめ
さて、この記事では、天日干しにまつわる情報をお伝えしてきました。
天日干しを何時間してもダニ退治効果は期待できないという事実にショックを受けた方もいらっしゃるかもしれません。
でも、消臭やカビ対策など、布団を干すことにはメリットもたくさんありますから、最適な干し方や干し時間を把握して、寝具を長持ちさせましょう☆
ポイント
- 天日干しに最適な時間 … 基本的には10~15時
- 前日に雨が降った日は避ける
- 天日干しする時には、ぜひカバーをかけよう!(真夏にはダニ退治も可☆)
- 日光によって劣化しやすいかどうか寝具の素材をチェック!
- 干し終わったら、掃除機かけを忘れずに…